過失割合はなぜ重要なのか

車の修理費などを支払ってもらう際に過失割合を十分考慮することなく示談してから怪我について弁護士に相談される方や過失割合について深く考えずに保険会社の主張を受け入れられている方がいらっしゃいますが、不当な過失割合で示談をしてしまった場合、賠償額が大きく減少する可能性があります。 ここでは、過失割合について何となく理解しているけれども実感が湧かないという方に向けて、具体的な事例を交えて過失割合の重要性を説明したいと思います。

1 割合ではなく金額で考えるべきである

1割と聞くと人によっては、そんなに争わなくても良いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 しかしながら、過失割合については、割合ではなく金額で考えた方が良いと思います。例えば、「過失割合を1割折れてほしい」と言われるのと「賠償金を100万円減額してほしい」と言われるのとどちらが心理的に抵抗があるでしょうか。
交通事故被害における賠償金額は、重大事故の場合には数千万円から数億円にのぼる事案も存在しますので、過失割合が1割変動するだけで賠償金額が数百万円から数千万円減少することもあります。
そのため、過失割合の提示を受けた場合には、安易に割合のみを考えるのではなく、ご自身の賠償額との関係で具体的な金額に引き直して検討することをお勧めいたします。

2 治療費の支払いを保険会社から受けている場合には、さらに目減りする

上記のとおり、自らの過失に相当する分だけ賠償金が減額されてしまうことはご理解いただけるかと思いますが、保険会社から治療費が全額支払われている場合には、皆様の想定以上に賠償金が減少する可能性があるため注意が必要です。

例えば、全損害額が1000万円、そのうち治療費が400万円、慰謝料などが600万円、被害者と加害者の過失割合が3:7であった事例において、保険会社が治療費全額を病院に支払っていた場合を想定してみましょう。
この場合、慰謝料だけを考えると、被害者は600万円の70%である420万円の賠償金を獲得できるようにも思われます。しかし、本来治療費の30%は被害者が負担しなければならなかったところ、保険会社から全額の支払を受けているためその分を考慮しなければなりません。
そのため、実際の示談時に被害者が受け取れる金額は、以下のとおり保険会社が払い過ぎている治療費の分だけ目減りした300万円になります。

(計算式)
総額1000万円×70%-400万円=300万円

このように、保険会社から治療費の全額が支払われている場合には、慰謝料額に過失割合を乗算すれば良いというものではありません。
保険会社が支払った治療費は、健康保険による自己負担額の減額を受けていない金額になりますので高額になるケースが多いです。
そのため、安易に保険会社の提示する過失割合に応じてしまうと、想定以上に賠償額が減少してしまうことがございますのでご注意ください。

3 相手方の損害も賠償しなくてはならない

さらに、多くの方は任意保険により対応されるため問題となる場面は少ないですが、加害者側にも怪我人などが存在していた場合には、加害者側の損害についても自らの過失に相当する金額を相手方に賠償しなければなりません。
特に、加害者側が高級車である場合や重傷を負っている場合など、加害者側の損害額が被害者側の損害よりも著しく高額な事故もあり得ます。
その場合には、過失割合は自らの方が少ないにもかかわらず、加害者に対して賠償をしなければならないという逆転現象が生じる事案も珍しくありません。

4 まとめ

このように、過失割合は慰謝料の金額のみならず治療費や場合によっては加害者の損害を含めた全損害に影響を与えるものですので、非常に重要であると考えます。
過失割合は1割が重要です。過失割合についてお悩みの方やご不安な方は、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。

この記事を書いた人

弁護士 西川雄介

平成23年弁護士登録:司法試験(口述試験)3位通過
平成23年から平成26年まで長島・大野・常松法律事務所にて勤務し、大手上場企業や国外企業などを依頼者として企業法務・予防法務に注力しました。
その後、個人ないし中小企業の支援を行うべく弁護士法人佐野総合へ転職し、近年は遺産相続・交通事故トラブルや中小企業からの顧問対応等の取扱いが増えております。
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